2025.03.05

猫ちゃんの肉球の役割とお手入れ方法

猫好きにはたまらない猫ちゃんの肉球は、猫ちゃんの身体機能を支える重要な器官であるとともに、健康状態を測るバロメーターでもあります。猫ちゃんがいつまでも元気で過ごせるようにするには、この肉球のお手入れも必要です。本記事は、そんな肉球の役割や構造・お手入れの仕方を解説します。

肉球は正式名称を「蹠球(しょきゅう)」といい、走ったり飛び降りたりするときの衝撃を吸収し、滑り止めなどの役割を果たす器官です。体温調節やセンサーとしての機能もあります。このほか、ものを掴んだりグルーミングに用いたりと、猫ちゃんが生活していくうえで欠かせない役割も果たすものです。

肉球の機能は猫ちゃんの身体能力と密接につながっています。外傷はもちろん、内臓の病気などにかかっていると、肉球が変化することもあります。そのため、飼い主さんや医師が猫ちゃんの健康を判断する際のチェックポイントでもあるのです。

肉球は、猫ちゃんがいつまでも健康に過ごすためには欠かせないものです。普段からこまめにお手入れして、異常がある場合はすぐに医師に相談しましょう。

猫ちゃんの肉球の構造と名称

肉球はそれぞれの足にちょうど人間の手の平と指の位置についていますが、それぞれ名称が異なります。それぞれの名称をまとめたものが、以下のものです。

  • 掌球(しょうきゅう):前足中央・人でいう掌の位置にある大きな肉球
  • 指球(しきゅう):前足指の根元にある肉球で掌球の近くに4つ・掌球から離れた位置に1つあり、これが人の指でいう親指に当たる
  • 足底球:後ろ足中央にある大きな肉球
  • 趾球(しきゅう):後ろ足の指の根元にある肉球で指球と違って親指に当たるものがない

 

見慣れない漢字や読み方が同じ部位があるため少々ややこしいですが、覚えておくと獣医さんに説明する際などに役立ちます。

状況別肉球のお手入れ方法

猫ちゃんにとって重要な器官である肉球は、さまざまなトラブルが発生します。定期的にチェックし、必要に応じたお手入れが必要です。次は状況別の肉球のお手入れ方法を解説します。

肉球が汚れたとき

肉球が汚れてしまった場合は、ペット用の流さないシャンプーで湿らせたタオルで拭いてあげましょう。汚れがひどいと指の間に入り込むことがあるため、丁寧に拭いてください。強くこすらず、優しくふき取ってあげるのがポイントです。

ペット用ボディタオルがあれば、汚れてもすぐにきれいにできます。いたずら好きな子や活発な子がいる場合、用意しておくと便利です。

肉球が乾燥しているとき

肉球がカサカサしている場合、さまざまな原因が考えられます。その中には栄養失調や皮膚病など、動物病院で診察も受けた方がいい場合もあります。空気が乾燥しているなどの明らかな原因がない限りは、医師に相談しましょう。

乾燥の原因が分かっている場合は、肉球専用のクリームで保湿してください。あわせて猫ちゃんがこまめに水分補給できるよう、常にきれいな水を用意してあげることも大切です。屋外に出るタイプの猫ちゃんには、固い地面で肉球が傷付くこともあります。この場合は、専用の靴下やブーツを用意してもいいでしょう。

肉球の間の毛が伸びているとき

肉球の間にある毛が伸びると、足が滑ってけがをしてしまいます。ペット用のバリカンを使って、指の間の毛をカットしてあげましょう。このとき、肉球を傷つけないよう注意しながら作業するのがポイントです。

もし猫ちゃんが過度に嫌がる・飼い主さんでカットするのが不安などの場合は、動物病院やトリマーさんで対応してもらえます。自分で対応するのが難しいときは、無理せずプロの力を頼ってください。

飼い主さんが肉球をチェックする際のポイント

猫ちゃんの病気は肉球をチェックすることで判断できます。ケアの際は、以下のポイントをチェックしてあげましょう。

ケガや炎症がないか

肉球のケガや炎症は、放置すれば放置するほど治りが遅くなる傾向にあります。乾燥やそれによるひび割れも同様です。これらの異常は外傷だけでなく内臓の病気などでも発生します。

ケガや炎症、原因の分からない乾燥がある場合は、すぐ動物病院に連れていきましょう。

肉球の色に変化がないか

肉球は子猫から成猫になるまでに色が変わることがありますが、大人になってからは特に変化しません。もし成猫なのに肉球が白くなったり紫色になったりしているなら、何らかの不調に陥っている可能性が考えられます。

肉球の色が普段と違う場合、特に大人になってから変化が起きた場合もまた、動物病院で診察してもらいましょう。

まとめ

肉球は猫ちゃんの身体機能や生活を支える重要な器官です。また、健康のバロメーターでもあります。お手入れする際は肉球に異常がないかのチェックも欠かさず行いましょう。少しでもおかしいと感じることがあれば、できるだけ早めに動物病院へ連れて行ってあげてください。

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